日本の眼科2007.7より「コンタクトレンズ眼障害アンケート調査の集計結果報告」

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日本の眼科2007.7より「コンタクトレンズ眼障害アンケート調査の集計結果報告」

2007年7月の「日本の眼科」で、医療対策部担当常任理事の植田喜一先生の「コンタクトレンズ眼障害アンケート調査の集計結果報告」という記事が掲載されていました。
平成18年2月22日から平成19年2月26日までに回答頂いたものを集計して、まとめられています。
調査項目は、性別、年齢、トラブルの生じた目、自覚症状、診断名、コンタクトレンズの種類、購入先、装用状況、装用日数、装用時間、定期検査、洗浄、取扱説明書の受け取り、装用方法の遵守、レンズの装用日数などでした。
調査の結果は、コンタクトレンズ使用者は、男性に比べて女性に多く、20歳代、30歳代、10歳代に多かったようです。

トラブルのあった目は、右眼のみが27.6%、左眼のみが30.8%で、左右差はあまりありませんでした。
両眼が、41.1%とあったことから、コンタクトレンズ眼障害者は、両眼に発生しやすいことが明らかになりました。

コンタクトレンズ眼障害の診断名は、角膜上皮障害、巨大乳頭結膜炎を含む、アレルギー性結膜炎が多かったのですが、重篤な障害である角膜潰瘍と角膜浸潤は、これまでの報告と比較して、高い割合でした。
自覚症状は、これら角膜疾患や、アレルギー性疾患に対する症状(充血、目の痛み、異物感、めやに、流涙、乾燥感、かゆみ)が多く、かすみや視力低下は少なかったようです。

コンタクトレンズの種類は、ガス透過性レンズを含む、ハードコンタクトレンズが13.3%で、これまでの報告と比較して、少ない割合でした。
これは、使い捨てソフトコンタクトレンズ、2週間頻回交換ソフトコンタクトレンズ、定期交換ソフトコンタクトレンズの使用者の増加に伴っているからです。
特に2週間頻回交換ソフトコンタクトレンズによる眼障害が多いのは、このタイプの使用者が急増していることに加えて、誤ったコンタクトレンズの使用、ならびにケアに伴う眼障害が生じている可能性があります。
使い捨てソフトコンタクトレンズや2週間頻回交換ソフトコンタクトレンズについて、「装用方法を守っていた」は、29.7%と少なく、「守っていなかった」と「時々守っていなかった」を加えると38.2%で、装用日数については、使用期限を越えていたものもありました。

また、定期検査については、月に1回が0.4%、3ヶ月に1回が17.8%、6ヶ月に1回が13.9%、年に1回が3.9%、不定期に受けていたが10.9%、受けていなかったが49.2%、その他が2.4%、無回答が1.5%でした。
コンタクトレンズの利用者は、目の健康のために、装着方法や使用期限を守ることが大切です。

また、コンタクトレンズは、高度管理医療機器ですので、お買い求めの際には眼科での診察を受け、購入後も定期的な検査を受けるようにと、日本眼科医会は注意を促しています。
そして、少しでも目に異常を感じたら、すぐに眼科医の診察を受けるようにして下さいと警告をしています。