神戸新聞より 「眼障害の危険性認識を」
2010年10月16日の神戸新聞の記事で、「眼障害の危険性認識を」という記事が掲載されました。
若い女性を中心に、おしゃれ目的で人気を集める度なしのカラーコンタクトレンズ。以前は雑貨扱いで品質も販売も野放しでしたが、眼の健康被害が多発したため、厚生労働省は昨年11月、薬事法で規制される「高度管理医療機器」に指定しました。
来年2月からは視力補正用のCLと同様、無許可での製造・販売ができなくなりますが、本当にこれで眼障害の発生は防げるのでしょうか。製品に潜む危険性などから、多くの眼科医はカラーCLへの関与に消極的とされていますが、ユーザーの安全確保には眼科医の処方や指導が不可欠です。
溶け出す色素
カラーCLを使うと、黒目を強調したり瞳の色を変えたりして手軽に「違う自分」になれます。その多くが、眼科医による処方や指導なしに量販店やネット通販で購入されてきました。しかし、国民生活センターが2006年に公表したテスト結果によると、対象10製品のうち4製品で色素の溶出を確認し、2製品で粘着膜刺激が起こりうる細胞毒性を認めました。
低い酸素透過性
また、製品評価技術基盤機構が08年に公表した調査結果では、05年10月から08年2月までに全国で167人の眼障害が報告され、うち21人は失明の恐れがある重症例でした。
今回の規制で製造や販売は許可を受けた業者に限られ、一定の品質がなければ流通できなくなりましたが、日本眼科医会は「処方や指導を眼科医が拒めば、今後も購入希望者が量販店やネット通販に流れ、さらなる眼障害が起きる」と危惧しています。