読売新聞サイトより(4)「遠近両用 矯正に限界」
2009年1月17日(土)に読売新聞のサイト内の「医療と介護・健康プラス」に、「遠近両用 矯正に限界」という記事が掲載されていました。
40歳代半ばにさしかかると、次第に気になる老眼。若い頃からコンタクトレンズを使っていた人たちが、老眼年齢にさしかかる昨今、遠近両用レンズが注目されています。
東京都の主婦、鈴木千晴さん(48)は、昨年から遠近両用のソフトレンズを使い始めました。家では老眼鏡を掛けているが、「電車内で本を読んだり、スポーツジムでトレーニング機器の細かい表示を見たりする度に、眼鏡を掛けるのは抵抗があった」と言います。
以前から近視用のレンズを使っていたため、コンタクトの使用は慣れていました。選んだのは、1日使い捨てのソフトレンズで、「最初は少しぼやけたように見えましたが、1か月もすると慣れました。家では眼鏡、外出時はコンタクトと使い分けて快適に過ごしています」と話しています。
しかし、遠近両用レンズで若い頃のような視力に戻れるわけではありません。梶田眼科院長の梶田雅義さんは、「遠近両用は便利で、性能も向上していますが、遠近の矯正を1枚のレンズで行うのは限界があり、見え方は完全ではない。眼鏡よりも鮮明さに欠け、過度に期待すると不満を抱いてしまう。あまり細かいことにはこだわらない性格の人に向いているようです」と話しています。
現在の主流は、中心から同心円状に度が変わるレンズで、鈴木さんが使ったのは、中心部が近距離用、周辺部が遠距離用のレンズでした。逆に、中心部が遠距離用のものなど、メーカーによってかなりの違いがあります。
梶田さんは「仕事や日常生活で、どの距離を一番見るかによって、選ぶレンズや度数が変わる。経験豊富な眼科専門医のいる医療機関で作ってほしい」と話しています。