コンタクトレンズの不適切使用の現状

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コンタクトレンズの不適切使用の現状

【日本眼科医会発表】

日本眼科医会(三宅謙作会長)は16日、コンタクトレンズの不適切な使用で角膜障害などが年間約150万人発生していると発表した。コンタクトレンズは約1500万人が使っていると推定され、障害の可能性があるのは10人に1人の割合となる。使い捨てレンズの期限を守らず長期間使用した場合に目立ち、放置すると失明する危険もあると警告している。

調査は03年1~2月、全国の眼科医療機関6835施設を対象に実施。約1割の710施設が回答し、コンタクトによる目の障害が計2万6137件発生していた。これをもとに年間の患者数を約150万人と試算した。

障害は、アレルギー性結膜炎、角膜表面に細かい傷がつく点状表層角膜症、酸素不足で上皮がはがれる角膜びらんの順に多かった。びらんを放置して角膜潰瘍(かいよう)になり失明、角膜移植をしたケースもあった。

障害の直接原因は長時間装着が最も多く62%、洗浄不良23%、不適切な消毒8%など。理由は、定期検査を受けないなどのフォローアップ不足が47%、購入時の説明や指導が不適切28%、体質に合わないコンタクトの処方17%などだった。

同医会によると、角膜は涙を通して空気中の酸素を取り入れているが、コンタクトで酸素不足になり、障害や感染を起こしやすくなるという。ソフトコンタクトは薄くて装着感が良いため障害に気づきにくいという。

調査を担当した宇津見義一理事は「レンズの期限を守らない人に障害が多い。コンタクトは目にとって異物。異常があればすぐ外すこと。異常がなくても3カ月ごとに定期検査を受けてほしい」と呼びかけている。【吉川学】